ご挨拶

The 30th Annual Meeting of
the Japanese Society
for Sjögren’s Syndrome

第30回日本シェーグレン症候群学会学術集会 会長 金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科 科長 川野 充弘

第30回日本シェーグレン症候群学会学術集会の会長を拝命しました。
本学会は、初代の住田孝之理事長の時代から、シェーグレン症候群及びIgG4関連疾患の病因・病態解明、診断基準の制定、標準治療プロトコールの作成を目標に会の発展を続けてまいりました。本学術集会におきましても、この3つの柱を少しでも前進させることができるよう工夫を凝らして準備しております。

 金沢は日本のシェーグレン症候群の聖地です。私が膠原病内科医を目指し始めた1987年当時、金沢医科大学血液免疫内科の菅井進教授は、シェーグレン症候群の臨床・研究の日本におけるパイオニアとして、我が国のシェーグレン症候群を牽引しておられました。私は、他大学ながら金沢大学第二内科入局と同時に菅井先生の薫陶を受け、それ以来今日までシェーグレン症候群の臨床と研究に携わってまいりました。患者さんの痛みを少しでも理解しようとする菅井先生の姿勢は生涯ぶれることなく、今でも膠原病患者さんの診療のお手本にさせていただいています。

 菅井先生の後任の梅原久範先生は、金沢の地からIgG4関連疾患包括診断基準を世界に先駆けて発表され、金沢は、IgG4関連疾患においても、主導的役割を果たしてまいりました。患者さんを大切にする菅井先生の心は、梅原先生に引きつがれ、梅原先生によって北陸で初めて設立された「北陸リウマチ膠原病支援ネットワーク」という患者会を通じて、患者さんの灯台としての医師の役割を学ばせていただきました。

 2002年、菅井先生は、アメリカシェーグレン症候群学会の「新シェーグレン症候群ハンドブック」を翻訳出版されました。その後書きに、文部科学省科学技術政策研究所2001年の「未来技術の実現予測」が書かれています。そこには、「2021年 自己免疫疾患が完治可能」と予測されていました。残念ながら、新シェーグレン症候群ハンドブックの未来予測は当たりませんでしたが、生物学的製剤やJAK阻害剤等の治療法の革命的な進歩により、多くの全身性自己免疫疾患患者さんの寛解が治療目標として現実のものとなりつつあります。シェーグレン症候群の腺症状、特に口腔乾燥症状の治療に関しては、いまだ大きな進歩とは言い難いのが現状ですが、本学術集会を通じて、シェーグレン症候群とIgG4関連疾患の病因解明と治療法開発が少しでも進歩し、延びてしまったシェーグレン症候群の未来予測が、1日も早く現実のものとなることを切に願っております。

 本学会のメインテーマは「チームでつくるシェーグレン症候群の未来」です。本学会の大きな特徴の一つは、内科、眼科、歯科口腔外科、耳鼻科、皮膚科、小児科、放射線科、病理部、基礎医学等のそれぞれの専門家が、科の垣根を越えて力を合わせ「シェーグレン症候群」という一つの全身性自己免疫性疾患を深く究めるという点にあると思います。本学術集会が、皆様の日常診療を少しでも前に進めることができるような交流の場にすることができれば幸いです。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。